暗闇に光るもの

ここ久しく芝居を見ていない。
つい最近、観たかった芝居が1本あったのだが、
仕事で都合がつかずに見逃してしまった。
北川さんの演出なので観ておきたかったのだが残念だ。
演目は「銀河鉄道の夜」だった。



ちょっと懐かしい。
高校時代、高校演劇用の脚本では割とメジャーな「銀河鉄道と夜」という演目を
地区大会に持って行って、カンパネルラを演ったことがある。
右も左もわからん初の大会参加で、しかも十数名連れて行った参加者のうち
正式部員はたったの6名、あとは手伝いをかって出てくれた有志の友人達だった。
この頃は部員にも演劇というものを理解している奴が全くおらず、
おかげで教育文化会館の裏方さんたちには随分迷惑をかけたものだ。笑

それでも、思えば私はいつも協力者に恵まれていた。
そのせいもあって、中学から始めた演劇部だったが高校で本格的にドはまり。
卒業後も後輩に誘われて劇団をやったりイベントに参加したり、
何かと芝居に縁のある生活を送っていた。
(劇団は自然消滅しちゃったけど。もしかして私のせいかなぁ、ノブ、ごめんよ。)

高校卒業後に芝居がらみで出会い、私が大いに影響を受けた人が何人かいる。
そのうちの一人がT.I氏だ。本業は僧侶。
銅版画でも活躍されており多岐にわたって才能豊かな人物だが、趣味は挙げ足取り。
(ごめんなさい。てか、趣味は挙げ足取りって、それは私か?)

氏に出会った頃の衝撃はまさしくディープ・インパクト。
結婚式などとは違い、通夜や葬式はいつ発生するかわからないので、
某野外劇の打ち合わせに氏はよく遅れて来たものだった。
それも、「すみません、ちょっと通夜で・・・」と控えめに入ってくるのではない。
ガラガラガラッと遠慮なくドアを開けたと思ったら、袈裟衣姿のまま

「ごめんごめん、残業でさー。」

残業って言うなーーー!!!



・・・ま、まぁ、それはさておき。
札幌の演劇界は狭いので、舞台を観にいくと誰かしら知人に会うものです。
何の気なしにふらりと観にいってみたら知ってる人がたくさん出てて、
会場にも知人がちらほら・・・なんてことも、以前はよくありました。

数年前のある日、私は今は無き小劇場「ルネッサンス・マリア・テアトロ」の
後方の席に座って知人の出る芝居を観ておりました。
真っ暗な客席、舞台に光る照明、ちょっと退屈な芝居・・・
真っ暗な客席、舞台に光る照明、客席に光る頭、ちょっと退屈な芝居・・・
真っ暗な客席、舞台に光る照明、客席に光る頭と額、ちょっと退屈な芝居・・・

・・・・・・・・・・!!

間違いありません、T.I氏です。
剃りたてツヤツヤでハレーションをおこすほどの氏の頭。
しかも、寝ています。
それも俯いているならまだしも、
後方の高いシートから思いっきり額が見えるほど顔をあお向けて。
そこから先はあれです。もう芝居の内容なんか覚えちゃいません。

幕が下りた後でそのことを氏に伝えると、
「お前、上演中にどこ観てんだ。芝居に集中しろ」とおこられました。

あ、ハイ、ごめんなさ・・・・・・・・・・・・

寝てた人に言われたくありません。

ってか、暗い客席にあの頭は反則です。
携帯電話の液晶画面と同じくらい気になります。
いっそのこと、会場で反射防止用の頭巾やカツラを用意したらどうなのか。
闇に光る頭と「夢は枝毛になること」というかつての氏の発言とを
思い出しながら、私は知人の出ていた芝居のことなどすっかり忘れて
帰宅の途に着いたのでした。

あっ、でもこんなこと書いてるけど、いい人なんですよ。
私に何かあったら成仏できるように手伝ってもらいたいです。一応檀家だし。笑

余談ですが、本人は覚えていないと思うけど、以前に
お経よくわかんないからできれば余興でって頼んだら断られました。
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