アドバイス障害

些細な事ではあるが、つい最近友人とした会話の中でおもしろい話題が出た。
その話は「良かれと思って人にアドバイスしたら想定外にキレられた」という内容のものであったが、私はその後の議論で、『いつも何かに悩んでいる・若しくは不満を抱いている傾向にある人々のかなり多くが、実は問題を根本的に解決する気など全くない』、というロジックが存在することを再認識した。
まあ有体に言えば、実は私自身が長年無自覚のうちに 『そちら側』 に身を置いていたため、随分いい歳になるまでそれに気が付かなかったというだけの事なんだけども、改めて考えてみるとなかなかに興味深いものがある。
 



ここでのポイントは、悩みを抱える当の本人が 『自分は本気でどうにかしたいと思っている』 と頑なに信じ込んでおり、実は自身には解決する気などさらさら無いという事実に全く気が付いていないところにある。
面白いのは、こういう状態に陥っている人が誰かに悩みを相談すると、多くの場合、最も適切なアドバイスをしてくれた良心的で奇特な人の話には全く耳も貸さないどころか、『わかってくれない』『おまえは冷たい』などと完全に逆方向且つ感情的にのみ解釈する傾向にある点だ。
要するにハナからアドバイスなぞ欲しくなかったわけだが、何しろ当人にはその自覚がないものだからややこしい。 
当然ではあるが、事態は一向に解決に向かわないだけでなく、むしろ悪化の道を辿る。


何と言うか、たまにこういう場面に出くわすと、過去の出来事を思い出して 『いやもうほんとすいませんでした』 って土下座したい気分にかられる。笑
……土下座は冗談にしても、そうした落とし穴に自分が再び陥る可能性だって多かれ少なかれあるわけで、思考と行動のバランスには気を付けないといけないなぁ…と我に返った次第なのである。


まあ実際の所、日常における問題の解決方法とはその殆どがやってみると意外に簡単であるにも拘わらず、やってみるまでが非常なる困難を伴うケースが多い。
それは、これまでの考え方を捨てて全く別の考え方をしなくてはならないという理由に尽きると思うが、おそらくこれが 『自分を変えなくてはいけないくらいなら問題の解決などしない方が良い』 という無意識の強迫観念と現実逃避の源になっているのだろうと予測する。


こうした無意識の恐怖に囚われた人は、本当に有益なアドバイスは何ひとつ聞き入れず問題を不必要にこじらせた末、最後は明確に解決を放棄して逃げるという誰にとっても不幸な結論を出すに至る。
そして不思議なことに、何故か本人は 『人生、時には逃げることも必要』 などと、その行為を爽やかに正当化するパターンが多い。
ポジティブさの間違った使い方の典型である。


確かに、自分の身に起こるすべての事に対して一生全力で立ち向かう必然性はどこにもないし、力加減の無さはむしろ害悪になる。
物事を成すにあたって 『リスクヘッジとしての逃げ道』 があった方が良いことは紛れもない事実であるが、その事と、 『解決も責任も放棄して逃げる』 こととを同一視するのは、そもそも大きな間違いであるとしか言いようがない。
逃げるべきところはそこではないし、実はそここそが最も逃げてはいけない場面であることに、残念ながら全く気がついていない(理解しようとしない)ケースが殆どのように思う。


ダメ押しに、『今回の経験を無駄にせず次に生かす』…と公言しては何故か同じことを何度も繰り返すという、パラレルワールドの住人になる。
根本解決するという選択から常に逃げている以上、同じことを何度やったところで失敗するのがオチなので、考え方を改める気が無いのなら何もやらない方が100倍マシだと気が付かないわけだ。


そしてここまできてようやく、こうした経過をさんざん辿ったひとりである私がやっと得た結論は、『考え方を変えたところで自分自身は何も変わらない』 という、極めて単純でバカバカしいあたり前田のクラッカー(古い)な事実であったと、あえて書いておく。
文章にするのもくだらないが、所詮自分は自分でしかない。考え方を変えることに対して、当時自分が何をそんなに恐れていたのか本当に不思議だし、もう端的にアホだったとしか言いようがない。笑
ただ、こんな歳になってやっとラクになるってこともあるんだよなぁ…とここ2~3年位で実感する事が非常に多かったので、備忘録的に書くのもたまには良いかなと。


…とまあ、いつもの通り大変回りくどい書き方をしてしまったわけだが、要は単なる 『妙薬口に苦し、忠言耳に痛し』 の話でござる。
不幸にも逃避状態に陥って抜け出せない人を表現する言葉が実際にあるのかは知らないけれど、こういう時に誰がどれほど親切なアドバイスをしても全く効き目が無いどころか逆ギレするということから、もし今風に言うならば 『アドバイス障害』 ってとこなのかなぁ、などとぼんやり考えていた梅雨の真夜中。
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by midori_design | 2013-06-20 02:28 | ツブ焼き | Comments(5)
Commented by かんたろ at 2013-06-23 01:18 x
【良かれと思って人にアドバイスしたら想定外にキレられた】
このまえ全くおんなじことをしてしまって 相手が不機嫌になってしまったことありました。
その方は前からけっこうボツボツとネガティブ思考で、でも実際自分では動こうとせず、待つだけ待つタイプの方なんです。
「仕事がない」「食うのも困ってる」「作品が売れない」などなど
おいらは話をきいてたら心配になったので
ああしたらどう?こうしたらどう?と余計なおせっかいを焼いてしまったんだよね。
でも相手は「おまえごときに相談したつもりなんかサラサラないんだよっ!」ってね。急に不機嫌になって。(笑)

相手にしてみたら
上から目線で相談に乗ってくんじゃねー
だったらお前が仕事くれよ。 金くれよ。
ってことなんだよね。

みどりさんのBLOG読んで
『問題を根本的に解決する気など全くない』
というロジックがあるということにかなり納得しました~ ^^
Commented by midori_design at 2013-06-24 23:42
わーひさすぶりいーーーー! かんちゃん元気そうで嬉しいです。
こっそりブログも覗いてるけど、町屋の遊び金魚のカードがすごく素敵だよーーー。とってもいいね、わくわくする!

…ああ~、やっぱりこういうタイプの人に遭遇して苦労する人、少なくないんだよねぇ。笑
てか、この手の人って、少なくないと言うよりむしろ割と多いよねぇ。もしかして現代病?
ハッと周囲を見渡すと、かつての自分と本当に良く似たロジックで動いている人、結構頻繁に見かけるんだよね。
思い出すと恥ずかしくて、こそばゆくなってしまうw ごめんなさいごめんなさい 汗
Commented by midori_design at 2013-06-24 23:43
かんちゃんの話は明確に逆上タイプの人だけど、アドバイス障害の人って、大きく3タイプに分けられると思うんだよね。

●1つめは、前述の『逆上タイプ』。
 お前なんかに言われる筋合いはない!と、誰の目にもわかりやすくキレる人。ある意味対応がラク。
●2つめは、『反論タイプ』。
 相手のアドバイスに対して延々と「いや、でも、だって、私はそう思わない」と反論し続け、絶対に相手の言う事を肯定しない人。
 何が何でも自分が正しいと譲らないのでめんどくさい。
●3つめは、『疑似受容タイプ』。
 相手のアドバイスを「なるほど、わかりました」と言って、その場は一見受け入れたように見える人。
 しかしその割には、「正論だけど私には合わない」など理由を付け、全くアドバイスを実行しない。
 または、アドバイスのうちごく一部を実際にやってみるものの、肝心なところは頑としてやらないため失敗に終わり、挙句「この方法じゃダメでした」と人のせいにして終わる。
 実はこのタイプが最も時間も手間もかかってめんどくさい。笑

前回思いつくまま書いたら個人的に面白かったので、続編を書くかも知れない。
Commented by かんたろ at 2013-06-25 16:09 x
その人はこのときは逆上タイプだったけど
反論タイプになるときも 疑似受容タイプになるときもあるんですわ。
おいらが行ってることが正論で痛いトコロだと黙って無視を決め込んだりひねくれたり。卑下したりする。
うーん なんていうんだろう
すごく理不尽なので最近は「悩んでる(困ってる)僕(私)が好き~。」っていうナルシストなんだ この人は。と思うことにしてる。(笑)

うんうん 続編希望!
遊び金魚ちゃんみどりさん好みだから贈りたいわー
住所って変わりない??^^
Commented by midori_design at 2013-06-27 22:42
それはまた随分と拗らせた方のようで… ご愁傷様です。(笑) でも実際、混在型も少なくないよね。
かくいう私も、この病を患っていた頃は主に2と3の混在型だったため、脱却するのに随分と時間がかかったクチですが。ははは。…orz

わー、住所変わってないけど、いいの!? うわぁ嬉しいなー。
いつも貰ってばかりだから、今度ぜひお礼させて!
てか、あとで滅多に使わないmixiでも使って、ダイレクトメッセージ送ります。(笑
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