リング 2002年 10月21日(月)

新聞を見ていたら、「映画リング逆輸入」の広告が出ていた。
日本版より面白いのかなあ、ちょっと観てみたいかなあ、
なんて考えながら眺めていたらふと思い出した。
「リング」か・・・・・



つい先日のことである。

めっきり寒くなった北の晩秋、夕食にはつい鍋物なんか食べたくなってしまう。
それでその晩は肉団子鍋を作ることにした。
昆布と削り節でいそいそと出汁をとり、たっぷりの野菜を刻む。
できあがった時のあつあつのおいしさを思い浮かべてわくわくしながら、
薬味を加えた挽肉をこねこねし始めた時だった。
なんだかちょっと薬指に違和感を感じたのだ。
「お・・・?」
それは、薬指にまとわりついたモノと指との間に
妙な感じで挽肉が挟まった感覚だった。
「あれ・・・?」

私は出かけるときには必ず指輪をはめている。
以前気に入っていた安物の指輪が壊れてしまったので
代わりに買った1,000円の安物指輪だが、
ある種精神安定剤みたいなところがあって
外出時はそれをはめて行かないと何故か落ち着かないのだ。
おかしなもので、指も爪も短いので
マニキュアが死ぬほど似合わない(そもそもする気もないが)
赤ちゃん手であるにも関わらず、外出するとなると
その指輪がないとなんだかイヤなのである。
しかし、家に帰ると今度ははめているのが鬱陶しくなってはずしてしまう。
肩が凝るような気すらしてしまうので、いつもならすぐにはずしているのだが。

「あれま、指輪はずすの忘れてたのか・・・まいっか、安物だし」
「・・・・・ん?」

おかしい。はずすのを忘れたにしても、私がいつも指輪をするのは中指だ。
二度と結婚する気はなく、ゆえに当然そんな相手すらいない私が、
そもそも薬指にリングをはめているわけがないのだ。
私は挽肉をこねる手を止め指を引き抜いた。
その薬指には、豚肉の脂肪にまみれ燦然と輝く
小口切りの緑の薬味がすっぽりとはまっていた。

「・・・葱かよ・・・」
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by midori_design | 2005-04-23 22:15 | 恥の遺産