気になる。

お茶のお稽古から帰ってくる時、よりにもよって私が降りる終点麻生駅で人身事故が起こったらしく駅はごったがえしていた。幸い私が駅の改札をくぐって15分位待った程度で普通運転再開となり、無事麻生駅までたどりつけた。しかしバスが来るまでやや時間があったので飲み物を買って待とうと自販機に歩み寄ったところ、所在無げに立っていた小柄な女性が私に声をかけてきた。顔が青い。



「あの、すみません…人身事故で誰が死んだかなんて、わかりませんよね…?」

ハッとした。勿論私にはわかるはずもないのだが、いたたまれない気持ちになった。「ええ、ちょっと私には…。もしかして、どなたかとご連絡が取れないのですか…?」と尋ねると息子さんと連絡が取れないとのこと。大学受験の結果が今日出たのだが駄目だったそうだ。駅員にも尋ねたが「今はまだ何も、亡くなったのが女性なのか男性なのかも教えられない」と言われたと、途方に暮れた表情だった。その時点ではまだ性別も何もわからないという意味だったのかもしれないが、その応対はないだろうよ、駅員。青い顔した人を何のフォローもなしにほったらかしか。

だが私もこのお母さんのためにしてあげられることが何も思いつかず、「息子さん、お友達のお家にでも行ってるといいですね」と言うのが精一杯だった。「すみません…」と小さな声で言うお母さんに、「座って待っていた方がいいですよ」としか言ってあげられなかった。落ちつかない足取りで再び駅員室の方に向かうお母さんの後姿を見送り私もバス停に向かったが、その後どうしても気になり先程の場所まで戻ってみた。辺りを見渡しても彼女の姿はもうなかった。駅員室にでもいるのか、息子が無事とわかりもう帰ったのか。いずれであっても、せめてあの時暖かいコーヒーを買って渡せていたら良かったと後悔した。

どうかあのお母さんの心配が取り越し苦労でありますように。
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by midori_design | 2006-09-06 00:46 | ツブ焼き | Comments(4)
Commented by おいけあん at 2006-09-06 07:42 x
デリカシーの無い駅の対応は 「サービス業」の心構えが欠けていますね

同時に 母親に心配をさせる「息子」の気が知れません
そんな「ひ弱な息子?」に育てた「親」にも 何かが欠けているんじゃあ・・

でも
みどりさんのおっしゃるとおり 気がかりですね
(”あったかカッフィー”をプレゼントできたらよかったですね)
Commented by whitececile at 2006-09-06 08:50
お母さん、誰かにきっと何かすがりたいようなどうしようもなく不安だったのでしょうね・・・よほど、息子が落ち込んでいたのが気になって・・自分でもどうしていいか解らずに。みどりさんがやさしく答えてくれただけでも
ほんの少しは和らいだかも知れませんよ。息子さんよ!大学受験に失敗したからといって、・・・そんな心配かけさせるんじゃないよ・・本人にとってはよほどのことなのだろうけど。

   私、メルアドを2つ持っているのですが、そのうちのひとつでは送信されなかったのですよ(笑)もう一つのほうでは送信されたようなのですが・・着いたかな・・
Commented by midori_design at 2006-09-06 11:20
今朝の新聞で、亡くなったのは60代の女性とわかりました。
何らかの理由でホームに転落してしまったらしくお気の毒ですが、
ともあれあのお母さんの心配が杞憂であったことにはホッとしました。

>おいけあん父さん
はい、見ず知らずの私に声をかけてくるだなんて、
駅員はどんな対応をしたんだと腹が立ちました。
息子も受験ごときで親が青くなるほど心配かけて
なにやってんだと思いましたが、お母さんの顔を見ると気の毒で。
でも取り越し苦労で良かったです。
しかし、大学受験くらいでいちいちこんなに深刻になってしまうなんて、
世の受験生を抱える家庭は大丈夫なのかと思ってしまいますね。
Commented by midori_design at 2006-09-06 11:30
>whitececileさん。
ほんとに、なにやってんだ息子! ですよね。
でも、受験に失敗したくらいでここまで息子を心配しちゃうような
神経の細やかなお母さんだったから、こういうことになったのかも・・・?
いずれにせよ息子さんは無事で何よりでしたが。

あれ、メール送って頂きました!? 届いてません・・・
えっと、それじゃ非公開コメントで
whitececileさんのアドレスを教えて頂けますか。
教えていただいたアドレスにメールお送りしますので、
それに返信してみてください。
無事コンタクトがとれたら非公開コメントは消しますので。
お手数かけますが、宜しくお願いします。
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